コラム  2000/1/10

双発訓練 IN USA          大森会員

 皆さんあけましておめでとうございます。
 年明け早々の1月2日から1週間の日程でMULTI ENGINEのレーティングをとるためにアメリカに行って参りました。
 実は、多発を取るための渡米は2度目で、前回は天候不良のためチェックを受けることができずに帰国した悔しい渡米でした。今回はその失敗をふまえ、到着した日から訓練に入り、3日目にはチェックをうけるというハードな日程でした。
 多発に執着した理由は、1点めとしてビーチのバロンやパイパーのセネカが好きで、それらの機体に乗りたかった事。2点めとしては、もし、また飛行機に乗る仕事に戻るチャンスがあった場合に、多発は必須だからです。

 多発の訓練についてですが、普通に飛ぶにはチェロキーとそれほど変わりません。ただし、かなりパワフルだしプロペラコントロールとランディングギヤーの管理をしなければならないので若干忙しい感じがするかもしれません。またタクシーの要領も少し勝手がちがいます。
 
 費用的には、日本では1時間あたり8万円から10万円かかるのに対しアメリカではインストラクター込みで1時間あたり150ドル前後です。個人差はありますが10時間前後は乗ることになるとおもいますので、訓練費だけなら2000ドルくらいかなと思います。あと、座学の費用で、けっこう勉強しなければなりません。

 ところで私は誤った認識をしていたのですが、エンジンが複数ついているので安全そうに感じませんか?わたしは、安全なのだろうと思ってました。
 実は1発になったエンジンで飛び続けるのはおそろしいのです。上昇能力の著しい低下もクリティカルな現象ですが、それより怖いのは片肺でストールに入る事です。片肺でのストールはスピンに直結します。単発機とちがい、簡単にはスピンから回復できません。低高度からでは、まず助からないでしょう。
 もし、多発を取得される場合は片肺での訓練を充分にやり、なにが危険なのかを認識し、危険の前兆を早期にとらえる着意が必要になります。
 危ないばかりを書いてしまいましたけど、それにはかえがたい魅力やおもしろさがありますから機会をみつけて限定拡張されたらいいと思います。






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