コラム

計器飛行 IN USAA  
1999.3.25  リバーサイドエアロクラブ会長 広田 正純

 アンビリーバブル、ロスの空港に着いた時の第一声はこの言葉でした。 十数回ロスの空港を利用している私にとってイミグレーションに一人の旅行者も待っていなかったのは初めてでした。 いつもイミグレーションで2〜3時間ぐらい待たされる苦痛の時間がなくなっただけでも第二回目の計器飛行の訓練に期待が持てるような気がしました。 昨年の第一回目のコロラドでの訓練では10日間の内、天候の為フード時間が 2時間ほどしか稼げなかったのでよけいロスの青空とイミグレーションでの出来事がうれしくなりました。早速レンタカーでロザモンド空港へ。

 12月25日はクリスマス休暇の為AVエビエーションはやはり休みであった為、次の26日に訪問。知人の北村君の紹介で4年前に教わったブルースのインストラクトで訓練を開始。使用機体はPA28−C−140で今私たちが乗っている140と同じだという事だったのですが、エンジンの馬力は10馬力アップ、ランデングギヤにはカウリングが付き、翼も少々長く我々のPA28-140とは少し違う感じでした。 2VOR、DME、ロラン、ILS計器飛行に使うすべてのものがそろい乗ってみるとこんなにも違うものかという感じでした。 離陸して500フィートですぐフード、タイムズターン500フィートクライム、ディセントそしてそれらの組み合わせだけを 3時間やり着陸。 タイムズターンディセントなんかインストラクターが最初見本を見せてくれた時は簡単なものだと思いましたが、いざ自分がやってみるとVSIの針が定まらず、それに目がいくとターンコーディネーターが定まらず、以外にむずかしく時差ボケもあり3時間のフード訓練は少々体にこたえモーテルに帰りダウン。

 2日目もタイムズターン、ディセント、クライムそしてVORインターセプト、1日に2時間のフライトを2回のスケジュールでフライト。

 4日目からはフードでのストール訓練、VFRの時のストール訓練と違って実際にランデング、ティクオフを再現しながらの訓練でした。500フィートでディセントしながらフラップを1、2、3とあげそしてピッチアップ、パワーオンストールは80ノットをキープしながらピッチアップ、実際のマニューバーを2〜3分続けながらの訓練でした。 外を見ないで計器だけのリカバリーは私にとってゲーム感覚でとても面白くもっとしたかったのですが1日で終了。

 5日目はフードのスローフライト、スティープターン、外を見ない分ピッチアップがワンテンポ遅くなり3回目でようやくパーフェクト。 うまくいくようになるとVFRでの操作よりやさしく思えました。

 6日目はバンナイズ空港にIFR用の器具を買いにフライト。 ILSアプローチをアプローチコントロールにリクエストしてランディング、その後をジェット機が続けてテイクオフ、全米一いそがしい飛行場であることを実感。 ショップに入ると器材の安いこと、日本より一桁安くIFR用のビデオまで買いこむ。  帰りにはIFRルート上をいろいろためしながらリターン。

 7日目は35ノット、ガスト45ノット立っているのもつらい風、インストラクターがどうするというので、GO!。 右30度からの風でテイクオフ、エアボーンしたとたんぐらぐら、上空の風はすごくVSIが上下にすごく動き回り高度計も定まらずそれでパーシャルフライトをやるとの事。 ただし2000回転しかエンジンを回さずVAより10ノットほど遅くエアスピードを設定、アティチュードやVSI、ヘディングインジケーターを隠しながらのフライト。少しびびりながらも何とか帰る。 ショートファイナルでもかなり揺らされ汗がタラー。 ランディングに際してはランウエーの手前200mくらいのところに小屋がありこの風の影響でかなりゆれるとのインストラクターからの指示があり待っているとぐらぐら、風が地形によって起こるさまざまな事を頭に入れておく必要を感じた。
昼からは風がおさまり25ノット、ガスト35ノット午前中よりは少し楽に着陸できた。

 8日目はNDBインターセプト、トラッキング、VFRでのアプローチ、日本ではNDBをほとんど使わないので少しとまどう。 VORと違い針が斜めになったまま飛ぶのは少し違和感があった。

 9日目はアクチュアルでやるという事でベーカーズフィールドに行く。 IFRの状態でホールディングやNDBトラッキングを練習し、そして最後はベーカーズフィールドにILSランディング。 本当にこの雲の下にランウエーがあるのか心配し、おぼろげながら下の町が見えてきた時、ほっとしたのもつかの間、前方のVASIの白赤が見え少しセンターをはずしていたのですぐ修正50フィートでゴーアラウンド、ミストアプローチをリクエストしてポイントに飛んでいくミストアプローチプロシジャーの訓練もかねホールディングパターンに入る。 その後操縦をインストラクターにかわり20分くらいフードのままで座っていると今の場所を指示しろとの事。二つのVORですぐ位置を割り出そうとしたがパームデールの信号しかキャッチできなくDMEを使い位置を出す。するとそこは左右を山に囲まれ他のVORの電波が入らないところでした。

 10日目からはパームデール上空でのホールディングとILSアプローチの訓練。 ILSアプローチはそれほどむずかしく感じなくなったがATCがうまく行なえず、特にリードバックが出来なくインストラクターに援助をたのむ。

 最後の2日間はILS、VOR、NDBアプローチをパームデールとランキャスターで行ない終了。

感想として一日3〜4時間のフードは疲れる。インストラクターから最後の2〜3日間は覚えが悪いとの感想を言われました。
 さあ次回は絶対ライセンスをゲットするぞ!

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