|
コラム
高知クロカン体験記 2004.09.20 廣田 正純
今回はクロカンのレポートも違った観点で書きたいと思います。
といいますのは私達が高知から八尾にルートをとり飛行をした4時間後に淡路島でソカタTB−10が山に衝突し2名死亡した事にショックを受けたからです。
その日は高野キャプテンで高知をテイクフ、山を越え淡路島の南についた頃はシーリングが低く視界もかなり悪くなっていたので関西TCAにコンタクトしてレーダーサービスを受けました。
我々の飛んでいた頃はそれでもまだ良かったのですが、だんだんと悪くなる予報が出ていたのに、事故機はなぜあのような低い高度を飛んでいたのか、免許制度にもなにか欠陥があるのではないでしょうか。
ボートで海が荒れたら水深の深いところにルートをとり海図を見ながら帰港し、飛行機で視界が悪くなったら高度を上げる。これが基本なのですが。 しかしVFRパイロットは絶対視界の悪いところを飛ぶな、OnTop(雲の上の飛行)は避けよと教育し、その為の訓練がおざなりになり事故を防ぐ教育がされていないのではないでしょうか。 そのために一旦港や空港を出発すると気象が急変した時などは対処しきれないのではないでしょうか。
色々な人たちと海や空の話をするとヒヤリハットの話しがよく出ますが、その話ができるのはなんとか自分や一緒にいた人たちの力でたまたまクリアでき無事にいられただけで、初めて一人でその現象に出会いクリアできずに死んでいった人もたくさんいるのではないかと思います。 水泳などでは最近やっと着服水泳がシラバスに取り入れ始められましたが、乗り物については旧態依然ではないのでしょうか。
私はオートバイを子どもに教える時はアクセルワークをさせるのに、歩きながらオートバイを走らせる事が一番それからスロー運転、急ブレーキ、スローで線の上を歩くスピードで走りスラローム。 ボートを教える時は一度波のあるときに出航し波をクリアーする為の経験を教えます。
飛行機はまだ初心者なので教わることがたくさんありますが、アンユージュアルな講習や計器飛行の訓練を受け、又視界が悪くなったら上空に逃げレーダーサービスやインフォメーションをフルに使い自分で着陸できる空港を捜してもらうこと。 これが今の自分にとっての最良のパターンです。
又今回飛行クラブに所属していて非常に良かったと思う体験をしました。
高知空港で私が点検をした際、ノーズのエンジン下の燃料バルブからの水抜き確認作業で燃料コックがクローズであった為に燃料が出ず、バルブがきちんと閉まったことを確認しないままエンジンスタートし滑走路へ、しかしフルパワーをかけると回転にむらができるので急遽テイクオフを中止し、駐機場に戻ってみんなで検査したところ原因は燃料バルブが開いていて燃料が漏れていたことと判明しました。
このような失敗をクラブ員同士で話し会えることは個人で所有することより何倍か多くの経験になるのではないかと思いました。
良いクラブに所属したことを感謝します。
ページトップへ
|
© COPYRIGHT 2006 ALL RIGHTS RESERVED RIVERSIDE AERO CLUB |