コラム

黒部クロカン報告
                                       2004・4・3
                                  リバーサイドエアロクラブ  高野

 3月28日、湯浅さん、気象予報士の佐藤さん、松岡さんと自分の4名で、黒部ダム経由で、松本APまで、行って来ました。当日は、快晴、風弱く、山岳フライトには、絶好のコンディションでした。

 行きは、松岡さんPICで、野田、春日部、熊谷をインサイトしながら、訓練空域、グライダー、パラジャンなどに十分注意しながら8500ftで、レベルオフしました。   同乗の皆様は、山岳にお詳しく、数々の山々を、登山の体験を踏まえながら、解説していただきました。 また、ウェザーもしっかりと分析されて、また資料までお持ちになっておられて、誠に心強い限りです。
 浅間山の北側を通って、右側に長野市が見えた頃、いよいよ黒部ダムにトライです。 PICの松岡さんは、事前の準備からでしょうか、山々との標高から余裕を見て、12500ftまでのクライム、10000ft以上は30分以内、高高度での、万一の逃げ道の想定、バンクは最小限に、計器類のいつにも増してのモニター、などなど考慮しながら、落ち着いてコントロールされておりました。 また、順光の、良い写真が撮れるようなコース設定など、見事です。大町から扇沢を右に見て、いよいよインサイト、黒部ダムです。  自分も昔、アルペンルートなる道を、いろいろ乗り継いで、走破、いや通過したことがあります。こうして上空から訪問出来るなんて、夢のようで、大大感激です。  地上では、春はまだ遠くって感じで、山小屋らしき建物もありましたが、人気無きまま、雪に埋もれておりました。  また、遠く日本海、富山平野まで、見通せました。

 松本APで、Q400、MD87に御挨拶して、(一日3便のうちの2便)ターミナル内のレストランで昼食後、自分のPICで、戸隠、長野市、須坂市付近をローカルフライトしました。

 帰りは、湯浅さんPICで、諏訪湖から八ヶ岳と北岳の間を通過、正面に富士山を仰ぎながらのフライトです。甲府の双葉グライダー場に1機、飛んでるようでしたので、キャプテン落ち着いて、インフォメーション入手。コンタクトありがとうの返信でした。  富士五湖を眺めて、いよいよ関東平野です。横田にスコークをもらい、横田基地、立川基地、井の頭公園、調布AP、池袋などなどインサイトして、龍ヶ崎に向かいました。とても快適なフライトでした。  毎日毎日、仕事で駈けずり回っている地域を上空から眺めると、ストレスの解消と明日への活力が沸いてくるような気がします。

 1日中、快晴が続き、気象予報士のお二人からは、つまらないと思われるような好天でした。ただ、フライトコンディションとしては、なによりの状況でした。

 ただ、龍ヶ崎のアプローチは、軽率であり、運良く、ベテランパイロットの他機に回避していただき、事なきを得ましたが、重大アクシデントの可能性を秘めていた事を、時間が経つに連れ、身にしみて感じております。  同乗の者として、キャプテン共々、至らなかった点を反省しております。

 今回は、1日中天候が安定していたから表面化しませんが、山岳飛行は、山岳波、乱気流、気象の急変、峡谷への迷い込み、高高度による低酸素症、機体性能の低下など、さまざまな危険が潜んでおります。

 今回の事例を、しっかり受け止めて、今後も、皆様と共に、基本に忠実に、安全運航を最最優先に、クラブとして末永く楽しみ、また学んでいきたいと、誓う次第です、

今後も、よろしくお願いいたします。

  
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