コラム     双発訓練 in LA    2001.7.20         鈴木会員 



 6月14日から6月21日までマルチエンジンの資格を取るためにロサンゼルス近郊のトーレンスに行ってきました。

 6月14日はスティープターン、MCA(スローフライト)、シングルエンジンプロシジャーを練習しました。スティープターンは、単発機と違い少しピッチが変化しただけでかなり高度が変わってしまう印象を受けました。

 6月15日は、前日の科目に加えてパワーオフストール、パワーオンストールを練習しました。ストールは、フルストールまで入れずにバフェットがきたらリカバーするのが違うくらいでそれ程単発機の時と変わりませんでした。ただ手順がギアがあったりプロップレバーがあったりとかなり忙しい感じです。

 6月16日は、シングルエンジンプロシジャーにおけるエンジン始動を練習しました。練習している機体の右エンジンアキュムレータの圧力が低いらしく、一度フェザーにしたプロペラが低ピッチに戻らず、スターターを回してもなかなか始動しないという怖い体験をしました。教官が始動をしてくれましたが、エンジン1つだと上昇性能は極端に悪いのを実感しました。

 6月18日は、緊急降下の手順の訓練でした。ギアダウンして140ノットで降下するのですが、ピッチはマイナス20度くらいで垂直速度は−2000フィート/分を振り切り耳は痛くなるしとても怖いものでした。

 6月19日は、ロングビーチでのエアポートワークで手順がとても忙しく、なかなかうまくいきませんでした。また、ファイナルではトリムをとる余裕がなくピッチを下げすぎて、スピードが落とせませんでした。重い機体になるとトリムが重要なのだということを痛感させられました。21日に試験の予約をしていたので間に合うのか心配になってきました。また、ロングビーチ空港は交通量も多く滑走路が5本もあり、それぞれが交差していてATCも心配になりました。

 6月20日の午前中は、ロングビーチ空港がIMCだったので、ロサンゼルス国際空港のすぐそばのホーソン空港でエアポートワークの練習を引き続き行ない、午後はロングビーチで片方のエンジンをアイドルにして、シングルエンジンランディングの練習をしました。そのときに低くなりすぎると片方のエンジンのみのパワーを足さなければならず機体が振られるので、働いているエンジンのパワーを絞るのは慎重に行なわなけらばと感じました。

 6月21日はいよいよ試験です。夕方からの試験なのでお昼頃練習をしてロングビーチのターミナルで昼食をとった後、試験官のオフィスへ行きました。書類をチェックした後に口頭試験を1時間くらいおこない、その後チェックライドをしました。チェックライドの時には、ファイナルでmake right 360の指示がきて焦ったりもしました。一通り終わって駐機場所に戻り、試験官からコングラチエーションと言われ、飴をもらった時は、なんとも言葉に表せない喜びがこみあげてきました。

 今回の渡米は短い期間でしたが、色々な方に遭うことが出来、また普段の生活では得られない体験ができとても充実したものでした。


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