成田管制官との意見交換会の報告 2000年5月31日 千田
5月21日に成田のCAB棟に於いて題記の会が行われました。主な内容です。
1.成田の特徴
・処理する航空機の90%以上はIFR機である。
・国際線専用ということから到着便ラッシュなどにより特に午後が忙しく1日に数
回の波がある。
・1日に1〜2回程度は緊急事態かそれに近い事が起きる。
(R/W上でのパンク、燃料不足により補給のための緊急着陸等)
2.レーダーやタワーから見た小型機
トランスボンダが無い航空機はそのエコーの強さによってコンピューターが機影と
判断すると画面に映し出されます。超軽量機等は映らないでしようが金属製の小型機
は映りそうです。竜ケ崎や大利根の位置もレーダー画面に表示できます。
タワーからは天気が良ければ、牛久の大仏まで見えるそうです。
3.模擬レーダー管制
朝9時前後のヨーロッパ便を中心に混み合った時間帯を想定して行われました。
初めは5機程度が飛行していましたが、次々と定期便が現れコンタクトしてきます。
着陸順にあわせて方位、高度、速度等を指示しながらILS進入に向けて全ての機体
をぶつけないように(当たり前ですが)管制するのはかなりの訓練が必要だと思いまし
た。突然どこからか呼んでくるVFR機に対処するのも大変だということです。1人で
10機以上管制しています。
実際に竜ケ崎にある機番が Simulated ILSを要求し25分待ちといわれ待機していた
のですが、なかなか順番が来ずあきらめて帰るシーンもありました・・・。
4.事例紹介
主に特別管制区(PCA)への無許可(無言)進入の事例が紹介されました。
出発機の前方に進入してくるという危険なケースもありました。
殆どの場合追跡調査を行い、必要に応じて運航者に対しコンタクトをとるとのこと。
5.その他
・成田直上通過等の管制側の見解が出たので記載します。
3001ft以上はTCAにコンタクトし、指示を受けての飛行は問題なし。
管制圏内はタワーの許可が出れば可能ですが1500ft以上の高度を指定されそう
です。
いずれの場合も
・IFR機を視認すること。
・PCAには近づかない。(東西方向の通過のみ)
・速やかに離脱する。
・通過点や待機の指示がある。(ビジュアルリファレンスポイントや成田からのラジ
アルなどでも指示される。)
特に管制圏通過の場合1O分や2O分の待機や許可が出ないことも覚悟する。
・なるべくフライトプランにも成田通過を記載した方がよい。
等の注意が必要です。
・管制官側から、「小型機は121.5Mhzを聴取しているか」との質問がありました。
旅客機は聴取しているそうですが、小型機にはスタンバイ周波数さえも無い場合があ
るとは思っていなかったようです。管制官との知識のギヤップを感じました。
結論としてはトラフィックが多い時間帯にはあまり近寄らないでほしいとのことのよ
うです。 以 上
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